DARK MOOR「PROJECT X」(2015)

      2016/01/24

前作で待望の来日も果たしたスペインのシンフォニック・メタルバンドの2年ぶりの10thアルバム。

メンバーチェンジがあり、前作や来日時にも活躍した超絶Baマリオ・ガルシアは脱退してしまったようです。

近年の流れ同様のロマンスメタル・・・というよりさらにマイルドになり、もはやメロハーなどに近い一枚。前作ではまだあった疾走キラーチューンも無く、せいぜいアップテンポ止まりで基本淡々としている。ジャケやPVからなどからも分かるように宇宙や超常現象をテーマにしており、シンフォニックさよりもスペイシーなシンセなどが目立つ(ライナーノーツによるとXファイルからインスピレーションを得たらしい)。また、今作では「Mara Boston」なる合唱団のコーラスを大々的にフィーチュアしていて、これがまたシンフォニックさよりも映画のミュージカルシーンのようなマイルドな空気を出しています。
全曲そんな調子で、MVにもなり先行公開された(個人的には初見でかなり微妙に感じた)#9″Gabriel”が一番キャッチーで好きかもしれない。#2もまだシンフォメタル寄りかな・・・?。決してクオリティが低いわけではないのですが期待しているサウンドではないのです。

日本盤の初回限定ボーナスディスクにはなんと初期のエリサ期の名盤2nd、3rdの楽曲が5曲リメイクされて収録!日本での2nd、3rd人気や10作目、キャリア20年超えを記念して収録したようです。ヴォーカル・メロディはオリジナルに敬意を払って忠実ですがドラムやギターは作り直し、オーケストラアレンジも刷新されています。
楽曲の良さは言わずもがな最高、しかしロメロのヴォーカルもあってか原曲の勢いが薄くなり、マイルドに感じる。プロダクションも良くなっているはずなのですが、豪華さや迫力が薄れて(特にギターの音など)むしろ安っぽく感じてしまう。例えるならSonata Arcticaの1stリレコ盤のような感じです。原曲が好きな人ほど微妙に感じそう。
一聴の価値はあると思いますが、これのためにこのアルバムを買う価値が有るかというとやはりオマケ程度か。

遅すぎた感はあるものの来日ライブも行い、その際日本のクサメタルの帝王MinstreliXと(クサメタラーにとって)夢の対バン。かなり気に入った様子で、MinstreliXの最新作にギターソロ提供も行うほどでしたが、かつての路線に戻ることは無かったようです。DARK MOORには最強だったエリサ期のようにとは言わないですが、”TAROT”や”AUTAMNAL”のようなダイナミックなシンフォメタルを期待しているので今作の方向性はかなりイマイチ。前作「ARS MUSICA」の方がまだ緊迫感あるシンフォメタルで好み・・・もうかつてのような方向性には戻ってくれないのでしょうか。残念。


またこのPVがシュールなB級映画的でツッコミどころ満載。

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