ファイト・クラブ原作と映画との違い

マイフェイバリット映画の一つ「ファイト・クラブ」の原作小説を読んだ。
2015年に出た新訳版である。

大筋は映画と同じなのだが、当然違いもいくつかあったので気になったところを書いていこうと思う。
当然ネタバレなので未見の方はまず映画を観て下さい。

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・タイラーとの出会い
映画では主人公(=僕)は飛行機の中で初めてタイラーと出会うが、原作ではヌードビーチで出会っている。
寝ている僕の近くでタイラーは流木を集めて完璧な手の形の影を作るオブジェを作っていた。

・石鹸作り
映画では最初から脂肪を盗みに行っているが原作ではマーラの母親の脂肪から作っている。
しわを消したりや唇を膨らませたりするのに母親が送ってくれたものだ。ちなみに勝手に作ったのでマーラにブチギレられている。

・上司
映画では僕が自分で殴って上司に対して暴行されたと会社に脅しをかけるが、原作では料理テロを行ったホテルに対してである。
また、上司は原作ではタイラーによって爆殺されてしまう・・・。

・車での事故
映画ではタイラーだが原作ではファイトクラブのメンバーである「メカニック」が行う。
彼はタイラーのように立ち振る舞い、何度も登場する。

・生け贄の宿題
映画ではタイラーがレイモンド・K・ハッセル(獣医になりたかった若者)への問いかけを行うが、原作では僕が行う。
タイラーへの生け贄として12人分の運転免許証を持って来いという宿題が出るのだ。しかも例の「メカニック」を通じて出される。

・ボブ
ボブことロバート・ポールスンは映画ではオブジェを転がすイタズラ中に警官に射殺されるが、原作ではATMをドリルで穴を開けてグリースを注入するというイタズラ中に電動ドリルを銃と勘違いされ射殺される。
また、ルックスはブロンドでふさふさという設定である。

・騒乱プロジェクト(プロジェクト・メイヘム)の見せしめ
クラブを脅かすものを排除するという掟で僕はタマを落とされかける。映画では自首した際に警官がファイトクラブのメンバーだったという状況だったが、原作ではバスに乗っている時に襲われる。この際にも「メカニック」が登場する。

・タイラーの目的と殺人
映画ではタイラーの目的は殺人ではないので誰も殺さないが、原作では騒乱プロジェクトを妨害しようとする市のリサイクル担当特命大使のパトリック・マッデンを銃で殺害する。
騒乱プロジェクトの目的も映画では人類の解放として金融機関のデータを吹き飛ばすことだが、原作ではビルを爆破して国立博物館を破壊すること。

・物語のラスト
映画ではタイラーを止めようとした僕が勝負に負け、特等席のビルの中で自分に銃を撃ちマーラと共にビルの崩壊を眺めるというもので僕の生死はどちらとも取れる内容(俺は生き残ったと思う)。
原作では僕がファイトで殴り殺されようとするが失敗し、ビルの屋上でタイラーと対峙して自らに銃を撃つ。その際マーラや他の互助グループのメンバーが自殺を止めに来ている。ビルを爆破するという計画は材料作成のミスで失敗し、ビルは崩壊しない。ただし主人公は天国からの視点のようなナレーションをするのでおそらく死んだようである。

映画と原作の違いを上記のようにいくつか挙げさせてもらった。
大体の流れは同じなのだがところどころ違うし、印象は異なる。ファイトクラブメンバーの「メカニック」がタイラーの代わりに結構登場するのでタイラーは映画よりインパクトやカリスマ性が少なく感じる。

映画でもそうなのだが、場面転換を多用して物語を進行させるという手法なのですごい勢いで話が進んでいく。
映画だと音楽や映像があるので話が入りやすいし感情移入しやすいが、原作は速すぎてちょっと置いてかれるように感じた(海外の作品を訳したというのもある)。
デビット・フィンチャー監督はこの原作を本当に上手く映画にまとめたものだと思う。

それぞれに優れた点がありどちらもおもしろい。より「ファイト・クラブ」という作品を楽しめるので、自分のように映画を観て気に入った方はオススメです。
作者のあとがきや解説も読む価値あり。

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